画面バキバキのAndroidにAIエージェントを構築した話【Mac Mini不要】

画面バキバキのAndroidにAIエージェントを構築した話【Mac Mini不要】

画面に縦線が走るジャンクのRedMagic 8にOpenClawを入れて、WhatsApp経由AIエージェントを24/7運用する方法。Mac Mini 7万円の代替を0円で。

Mac Mini並べてる場合じゃない

最近、Mac Miniを大量に並べてAIエージェントを走らせてる動画がバズってた。見栄えはいい。映える。だが冷静に考えてほしい。

OpenClawがやってることはAPIを叩いてるだけだ。

Node.jsが動いて、インターネットに繋がれば、それでいい。7万円のMac Miniの性能の1%も使ってない。

じゃあ何で動かすか?ジャンクのAndroidでいい。

実際にやってみた

手元にあったのは RedMagic 8。画面に縦線が走ってる。普通なら文鎮。ゴミ。

  • SoC: Snapdragon 8 Gen 2
  • RAM: 12GB
  • 状態: 画面に縦線(ギリギリ読めるレベル)
  • 価値: 0円

これをWhatsApp経由で会話できるAIエージェントに仕立てた。

必要なもの

  • 画面壊れたAndroid(ADBが使える状態)
  • USB-Cケーブル
  • WiFi環境
  • OpenClawアカウント
  • LLM APIキー(OpenAI, Anthropic等)

手順

Step 1: ADB接続

PCにplatform-toolsを入れる。Android Studioは要らない。100MBもない。

# Windows
winget install Google.PlatformTools

# 接続確認
adb devices

USBデバッグが事前にONになってることが前提。画面が完全に死んでると初期設定できないので注意。

Step 2: Termuxインストール

Play Store版は更新止まってるので F-Droid版 一択。

# APKをダウンロードして
adb install termux.apk

# 起動
adb shell am start -n com.termux/com.termux.app.TermuxActivity

Step 3: Androidの省電力を全部殺す

ここが一番重要。ゲーミングスマホはバックグラウンドプロセスを即殺する設計だから、何もしないとTermuxがすぐ死ぬ。

# Doze無効化
adb shell dumpsys deviceidle disable

# Termuxをバックグラウンド許可
adb shell dumpsys deviceidle whitelist +com.termux
adb shell cmd appops set com.termux RUN_IN_BACKGROUND allow

# WiFiスリープ防止
adb shell settings put global wifi_sleep_policy 2

# 常時点灯(画面壊れてるから問題なし)
adb shell svc power stayon true

画面壊れてるから常時点灯でもバーンインを気にしなくていい。壊れてることがメリットになる瞬間。

Step 4: Node.jsインストール

# Termux内で
pkg update && pkg upgrade -y
pkg install nodejs -y
node -v  # v22以上必要

Step 5: OpenClawインストール

npm install -g openclaw

ハマりポイント: llama-cppのビルド

OpenClawはllama-cppを依存に持ってる。ARMでのC++コンパイルが走るので、ビルドツールが必要:

pkg install cmake -y

10〜20分かかる。ゲーミングスマホの冷却ファンがフル回転する。本来の用途とは違う意味で。

ハマりポイント: /tmp問題

Termuxは /tmp がRead-onlyファイルシステム。OpenClawが /tmp/openclaw を作ろうとしてエラーになる。

# 全distファイルのパスを書き換え
find /data/data/com.termux/files/usr/lib/node_modules/openclaw/dist/ \
  -type f -name '*.js' \
  -exec sed -i "s|/tmp/openclaw|$PREFIX/tmp/openclaw|g" {} +

mkdir -p $PREFIX/tmp/openclaw

力技だが動く。

Step 6: セットアップと起動

openclaw onboard

--install-daemon は使わない。Androidではdaemonインストールが非対応。

# フォアグラウンドで起動
openclaw gateway run

Step 7: 常駐化

SSHが切れても生き続けるように、tmuxで包む:

pkg install tmux -y
termux-wake-lock
tmux new -s oc
while true; do openclaw gateway run; sleep 3; done
# Ctrl+B, D でデタッチ

クラッシュしても3秒で自動復帰。再接続は tmux attach -t oc

Step 8: Tailscale(オプション)

外出先からもSSHしたいなら、Tailscale公式Androidアプリを入れる。

⚠️ Termux/proot内のtailscaledは動かない(netlinkrib permission denied)。Androidアプリ版を使うこと。

adb install tailscale.apk

アプリからログインすれば、Tailscaleネットワーク経由でSSHできる。

ハマりポイントまとめ

問題原因解決策
SSH切れるバックグラウンドプロセス殺し設定でバックグラウンド全許可 + wake-lock
/tmp作れないTermuxの制限sedで全ファイル書き換え
gateway start失敗Android非対応gateway run で直接起動
Tailscaled動かないproot/SELinuxの制限Android公式アプリ版を使う
WiFi切れるスリープ設定wifi_sleep_policy 2
llama-cppビルド失敗cmake不足pkg install cmake

コスト比較

Mac Mini M4ジャンクAndroid
本体7万円〜0〜3,000円
消費電力30W3W
月間電気代~650円~65円
性能オーバースペック十分
やってることAPI叩くだけAPI叩くだけ

同じことをやって、コスト1/20以下。

サービス化について

現時点ではtmux + whileループの手動運用。自動起動・死活監視については検討中:

  • Termux:Boot で端末再起動時に自動起動
  • cronで openclaw gateway status を定期チェック
  • 落ちてたら自動復旧

正式なdaemon化はOpenClaw側のAndroidサポート待ち。

結論

画面が壊れたスマホは、ゴミじゃない。SoC、RAM、WiFi、バッテリーが生きてるなら、それは立派なサーバーだ。

ゲーミングスマホなら冷却もある。画面壊れてても ADB で全部操作できる。常時点灯してもバーンインを気にしなくていい。

Mac Miniを並べる前に、引き出しの奥のジャンクスマホを見てみてほしい。


この記事は、実際に画面バキバキのRedMagic 8でOpenClawを動かして検証した結果です。隣で2号(えちちゃん/GPT)がWhatsAppで元気に喋ってます。